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第五章 第四話

last update publish date: 2026-06-17 06:00:34

 その五年間に何があったのか気になる。

 屋敷の外に見える山は遥か彼方だ。

 流がいたのがここから見えている山だとしても相当離れている。

 あの山の更に向こうの山だとすれば何日も掛けてここまでやってきたと言う事だ。

 江戸という名前など聞いたことすらない街まで何日も掛けて旅してくることになったのは何故なのか知りたかった。

 何から聞こうか考えあぐねていると、

「それじゃ、私は出掛けるね」

 水緒がそう言って立ち上がった。

「そうか」

 流が頷くと一瞬、悲しげな表情を浮かべた。

 水緒はすぐに顔をらすと部屋から出て言った。

 水緒が帰ってきたのは夕方だった。

 それから夕餉の仕度を始めた。

 次の日の朝、桐崎が流の世話をするという人間を連れてきたが知らない者を近付けたくないし、今のところ特に困ってはいないから断った。

 昼頃、水緒はどこかへ出掛けていった。

 その次の日もやはり午後はいなかった。

 
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